中国語: 「おいしい」「味」「におい」はなんていう? 食事の味とにおいの関係性


食べ物の味と香りは、切っても切れない関係ですね。


いくら味がいいものでも、変なにおいと感じてしまったら、食欲は減退して食べる気にはなれません。


逆に、快い香りと思わなくても、味がよければ思わず食べ進めてしまうこともあるかもしれません。

例えば納豆やドリアン、ブルーチーズは、一般的には「いい香り」の部類に入らないとしても、その味と一緒になって、むしろクセになるようないい香りとなっていくこともあります。


新型コロナウイルスに感染して、味覚または嗅覚障害になってしまい、食事が本当に味気ないものだったという体験談も聞きました。


確かに「味」と「香り」は一体ではあるのですが、上の説明を中国語で表現しようと思うと、ちょっと面倒になってしまいます。


日本語では完全に「味」と「香り」を分けることができるのですが、中国語はこの点 簡単ではありません。


日本語との微妙な違いと合わせて、見ていきましょう。



中国語で「おいしい」「すごくおいしい」「うまい」は?


はじめに、中国語で一般的に「美味しい」の意味で使われる言葉は


好吃 [hào chī]
[ハオチー]


といいますが、これは「食べる物」限定で、


「飲み物」がおいしい場合は


好喝 [hǎo hē]
[ハオハァ]


となります。


「食べる」("吃")と「飲む」("喝")の動詞を厳密に分けています。


同様に、「すごくおいしい」という場合は、それぞれに「程度補語」をつけて


很好吃/喝 [hěn -] = おいしい・すごくおいしい
[ヘン -]


挺好吃/喝 [tǐng -] = すごくおいしい・とってもおいしい
[ティン -]


非常好吃/喝 [fēi cháng -] = とってもおいしい・ものすごくおいしい
[フェイチャン -]


若者言葉では


超级好吃/喝 [chāo jí -] = 超美味しい・超うまい
[チャオジー -]


のような表現もあります。

※ 語感によって、程度の表現はかなり変わります。


それぞれの語尾に"啊" [a]をつけて、「~ね」「~よ」のような呼びかけ表現にすることもできます。



中国語で「いい味」といった表現は


味道很好 [wèi dào hěn hǎo]
[ウェイダオヘンハオ]


と表現できます。


同様に


味道挺好


味道非常好


のようにも表現できます。


また、「この味は申し分ない」「この味は素晴らしい」という場合は


味道不错 [- bù cuò]
[- ブーツォ]


という表現もよくあります。



ただ、冒頭の例のように「味はいいけど、においはちょっと…」という場合は、中国語の意味をしっかり理解しないとちょっと複雑になります。

普段は上記の表現で問題ないのですが、もう少し詳しく見ていきましょう。




中国語の"味"は「香り」と一体


漢字は中国から入ってきたものですので、多くの場合は意味が近いのですが、中国語の"味"という漢字の意味は、日本語での意味と異なります。


中国語の"味"という漢字は[wèi] [ウェイ]と読み、通常は


味道 [wèi dào]
[ウェイダオ]


という表現が使われます。


この"味道"を辞書で調べてみると、

指鼻子舌头等味觉所体会到的滋味

鼻と舌などが味わう、そのものの味わい

といった意味になっています。


このように、中国語では"味"には「香り (におい)」が含まれているのです。



それでは、日本語でいう「香り (におい)」と分けることのできる「味」に相当する言葉が別にあるかというと、少なくとも一般的には存在しません。


中国語には、日本語以上にいろいろな細かな表現があるのですが、この点は正直驚きです。




中国語: 「香り」「におい」「匂い」「臭い」はなんていう? 食事の味とにおいの関係性


中国語の「味覚」「嗅覚」を表す表現


日本語の「味覚」と同じ字で、中国語で"味觉"と書くと、逆に不思議なことに日本語と同じ意味になります。


味觉 [wèi jué]
[ウェイジュエ]


中国語の"味觉"も同様に


基本味觉 [jī běn wèi jué]


は、


酸 [suān]、甜 [tián]、苦 [kǔ]、咸 [xián]
 = 酸味、甘味、苦味、塩味


です。



日本語の「においに対する感覚」は「嗅覚」といいますが、これも中国語も同様に


嗅觉 [xiù jué]
[シウジュエ]


といいます。




中国語の「におい」を表す表現


中国語では、日本語の「味」とまったく同じ表現はありませんが、「におい」に関しては この表現が存在しています。


中国語で、


气味 [qì wèi]
[チィウェイ]


と書くと、これは「におい」の意味になります。

"味"の漢字は入っていますが、この場合は「におい」限定です。


「におい」には「いいにおい (匂い)」「臭いにおい (臭い)」がありますが、中国語ではそれぞれ


香味 [xiāng wèi] = 匂い
 [シャンウェイ]


臭味 [chòu wèi] = 臭い
 [チョウウェイ]


といいます。


ここまでのところで、いったん図にまとめてみます。

図中にない「食感」や「風味」については、後ほど触れます。


中国語: 「味」「におい」はなんていう? 食事の味とにおいの関係性

「いい匂い」「臭い」といった「におい」を表現する時は、このような程度と合わせて形容詞を使うことができます。


很香 [hěn xiāng] = いい匂い


好香 [hǎo xiāng] = すごくいい匂い


非常好香 [fēi cháng hǎo xiāng] = ものすごくいい匂い



有点臭 [yǒudiǎn chòu] = ちょっと臭い


很臭 [hěn chòu] = 臭い


好臭 [hǎo chòu] = すごく臭い




「味はいいけど、においはちょっと…」という場合、日本語では「味」と「におい」は完全に分かれた意味合いになります。


中国語では


味道很好,但是有点臭


と、一般的には日本語と同じように表現するしかなさそうですが、最初の文 "味道"の意味合いは日本語と全く同じではなくなります。



においに関しては、日本語と通ずるものがあるので覚えやすくひと安心ではあるのですが、動詞については気をつける点があります。



中国の臭い食品の例


中国語では「味」と「におい」は一体の言葉ですが、「臭うけど美味しいもの」は存在しています。


日本では「納豆」が「臭い」部類ですが、人気の食品ですね。(納豆の「香り」が好きな方には、この表現をお詫びします…)


中国にも「臭い」部類でも人気の食品がいくつかありますが、少しだけ例をあげてみます。

※ この手の食品は、中国国内でも人によって賛否両論です。


中国の臭いけどうまい食べ物 臭豆腐
臭豆腐 [chòu dòu fu]

臭豆腐 [chòu dòu fu]

辛い料理でも有名な湖南省の長沙市が有名で、中国全土に広まっています。

現代では各地の製法があり、食べ方も異なります。

湖南省の料理だけあって、長沙臭豆腐は見かけによらず辛さが際立っています。


中国の臭いけどうまい食べ物 螺蛳粉
螺蛳粉 [luó sī fěn]

螺蛳粉 [luó sī fěn]

広西チワン族自治区の柳州市発祥の、いわゆる「ビーフン」で米粉麺です。

臭い理由は、"酸笋" [suān sǔn]という、発酵したタケノコが重要な材料のひとつとなっているためです。

臭いがなければ、さわやかな酸味といえますが、臭いはかなり強烈です。


中国の臭いけどうまい食べ物 榴莲 ドリアン
榴莲 [liú lián]

榴莲 [liú lián]

果物の「ドリアン」です。どちらかというと中国の果物というわけではなく、タイやマレー新亜・シンガポールなどの東南アジア一帯で好まれています。

強烈な臭いのため、ホテルでは持ち込み禁止となっている所が多くあります。



筆者も上記の3つとも試してみましたが、ドリアン以外は臭いながらも美味しくいただけました。

ドリアンは慣れが足らないのか、受け付けられませんでした。(3回食べれば慣れると言われたものの、2回目の勇気がありません…)


また、中国にも「納豆」はあり、漢字も同じで中国語では"納豆" [nà dòu]といいます。

※ 納豆の起源は、日本が起源で弥生時代という説も含めて諸説ありますが、中国では秦時代から漢時代(西暦前221年~西暦220年)の中国起源説が一般的です。


これらの「香り」が好きな人にとってはもちろん、"好香啊!"(いい香りだ!)になります。


もっと興味のある方はこちらの記事もどうぞ




中国語で「においを嗅ぐ」の動詞


日本語で「においを嗅ぐ」場合は、「嗅」という漢字を使う点は中国語と同じです。


ただ、中国語で"嗅" [xiù] [シウ]という字を使う場合は主に書き言葉、話し言葉で使う場合は別の表現を使うことが多く、漢字も異なります。


主に話し言葉での「においを嗅ぐ」の動詞は


[wén]
[ウェン]


になります。


あれ、これでは「聞く」になってしまいそうですが、中国語では「嗅ぐ」という動詞です。



ちなみに、中国語で「聞く」「聴く」の動詞


[tīng]
[ティン]


になります。


なぜこのようになったかは諸説あるようですが、一説によると秦の時代より「聴覚と嗅覚だけが共通点を持っていて、感覚の対象が他の視覚、味覚、触覚とは異なる抽象的なものである」とのことです。

確証には至りませんが、古代には"闻"の字は、聴覚と嗅覚共通に用いられたと考えられています。




中国語: 「風味」「食感」「味の好み」はなんていう? 食事の味とにおいの関係性


その他の味に関する表現 - 風味・食感・味の好み


中国語には、味に関する表現はたくさんありますが、ここでは広い意味で使われる言葉をご紹介します。


风味 [fēng wèi]
[フェンウェイ]


これは日本語の「風味」と漢字も同じで、意味も同様です。

「味」や「香り」だけではなく、「彩り」や「趣き」といった雰囲気まで含んだ言葉です。

食べ物以外でも、主に「趣き」という意味に使われます。



滋味 [zī wèi]
[ズーウェイ]


「味わい」の意味で、稀に日本語でも「滋味(じみ)」と表現されることもあります。

中国語も同様ですが、食べ物の味だけでなく、心理的な意味で否定的な感覚を指す場合もある言葉です。

例: 心里不是滋味 [xīn lǐ bù shì zī wèi]



口感 [kǒu gǎn]
[コウガン]


日本語と漢字は異なりますが、日本語の「食感」と同様の言葉です。

「味覚」とは別の、口の中で感じる食べ物の感覚ですね。


软 [ruǎn]、硬 [yìng]、弹 [dàn]、粘 [zhān]、脆 [cuì]
= 柔らかい、硬い、弾力がある、粘り気がある、さくさく感がある


などのように表現されます。

最近では、グミのような独特の弾力は"QQ"と中国語で表されます。(漢字はありません。)


"口感"は名詞として使用しますので、例えば


这种蛋糕的口感很好 [zhè zhǒng dàn gāo de kǒu gǎn hěn hǎo]
この種類のケーキの食感は、とても良い


というように使います。



口味 [kǒu wèi]
[コウウェイ]


この単語は、日本語には直接の表現がないと思います。

それぞれの人の「味の好み」を指す言葉です。


具体的な表現としては、


口重 [kǒu zhòng]


口轻 [kǒu qīng]


となりますが、

日本語でいう「口が重い人」(口数が少ない人)や「口が軽い人」(おしゃべりな人)の意味ではありません。


"口重"は、塩辛さのような「味付けの濃いものを好む人」の意味で、"口轻"はその逆であっさりとした「淡白な味を好む人」のような意味になります。


日本人でいえば、"口重"は名古屋人で、"口轻"は京都人といったところでしょうか。

中国では、大雑把ですが"口重"は東北人や湖南人で、"口轻"は上海人や広東人が例にあげられます。



最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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