中国語を始めるのに必須なのに難関な
中国語の音を表記するピンイン(拼音)を理解する


発音についてはネット上に動画がたくさんありますので、ここでは教科書に載っていない攻略方法を中心に、まとめて解説したいと思います。


中国語 ピンイン 拼音 攻略法


  • そもそもピンインって何?

  • 母音と子音

  • ピンイン表記はアルファベットと声調記号(声調符号)によるフリガナ

  • 多音字 [duō yīn zì] (ドゥォ イン ズ)

  • 声調記号の位置



そもそもピンインって何?


はじめに、中国語のネイティブはピンイン(拼音)をどう定義しているか?ということで中国最大の検索サイト「百度(バイドゥ)」(baidu.com)で検索してみました。


百度先生の答えに和訳をつけたのが こちらです。


拼音 [pīn yīn]

把两个或两个以上的音素结合起来成为一个复合的音,如b和iāo拼成biāo(标)。

2つまたは3つ以上の音の要素を組み合わせて、ひとつの複合的な音を形成するもの。
例えばbとiāoが合わさってbiāo(标)(日本の漢字で「標」)となる。


日本語でいうところの母音と子音の組み合わせに近く、「ピンイン表記はアルファベットと声調記号(声調符号)によるフリガナ」みたいなものです。




母音と子音


日本語は基本50音で、小さな「っ」「ゃ」「ゅ」「ょ」であらわす音もありますが、母音と子音で表します。

母音単独もしくは、ひとつまたは複数の子音と、母音ひとつで音ができています。


ピンインのさらっとした説明を見て、さらっと理解した気になったのですが...

"两个或两个以上的音素"(2つまたは3つ以上の音の要素)という表記があります。

※ 余談ですが、中国語では"以上"はその数字を含むかは明確でないので、日本語と異なります。(参考リンク


中国語の母音にあたる部分を"韵母" [yùn mǔ] (ユン ムー)といいます。(日本の漢字では「韻母(いんぼ)」と表記)

また、子音にあたる部分は"声母" [shēng mǔ] (シェン ムー)といいます。


子音が複数になる場合は日本語でもあるのですが、中国語では母音も複数になる場合があり、この例の"标"でもb+iāoになっています。


さらに、後からお話ししますが、中国語のアクセントとなる"四声" [sì shēng] (スー シェン)や"声调" [shēng diào] (シェン ディァオ)と呼ばれる記号(声調記号)が追記されています。(日本語ではそれぞれ「四声=しせい」と「声調=せいちょう」と呼ぶ)


では、この"标" [biāo]の例では、母音は3つ[i+a+o]かというと、2つ[i+ao]になります。

これは、もともと「複数の母音の標準的なまとまり」として考えられる場合があるためです。


  • 中国語で"单韵母" [dān yùn mǔ] (ダン ユン ムー)と呼ばれる単体の母音は、日本語の5音に、[ü](ユーの口笛っぽい感じの音)をあわせて、合計6個になります。

  • "复韵母" [fù yùn mǔ] (フー ユン ムー)と呼ばれる複数の母音が組み合わさった基本形は、9個あります。

  • また、"前鼻韵母" [qián bí yùnmǔ] (チァン ユン ムー)と"后鼻韵母" [hòu bí yùn mǔ] (ホウ ビー ユン ムー)がそれぞれ5個と4個あります。

  • さらに、"整体认读音节" [zhěng tǐ rèn dú yīn jié] (ジェン ティ レン ドゥ イン ジエ)と呼ばれる、直接音節のまとまりとして認識できるまとまりがあります。


日本の「五十音表」のように、中国の小学生向けにこれらを表にしたものが、この音節表です。



音節表(おんせつひょう)
汉语拼音字母表
[hàn yǔ pīn yīn zì mǔ biǎo]


声母表(23个) b p m f d t n l g k h j
q x zh ch sh r z c s y w
韵母表(一共24个) 单韵母(6个) a o e i u ü
复韵母(9个) ai ei ui ao ou iu ie üe er
前鼻韵母(5个) an en in un ün
后鼻韵母(4个) ang eng ing ong
整体认读音节(16个) zhi chi shi ri
zi ci si
yi wu yu
ye yue yuan
yin yun ying



中国語の発音は、中国の小学生もくり返し練習します。

これらの基本となる音を個別で練習して、つなぎ合わせて習得していくのです。


日本在住の中国人YouTuber 李姉妹が、この発音構成を日本語でとても分かりやすく説明していますので紹介します。

この記事をひと通り読み終えたら、ぜひご覧ください。





ピンイン表記はアルファベットと声調記号によるフリガナ


先ほど「ピンイン表記はアルファベットと声調記号(声調符号)によるフリガナ」とお話ししました。


中国の子どもたちは、漢字の前にアルファベットを習得します。

中国語は漢字のみですべてを表しますし、常用の漢字数でも3000字、一説には7000字と言われるほど半端なく多いので、その前の「たったの26字」と言ったところでしょうか。


ピンインはアルファベットで表されるため、日本人としてはついローマ字読みをしたくなります。

ローマ字に無い表記は、英語読みをしてしまいそうです。


これは私自身が最初に大きく間違っていたところです。

独学で始めたせいで、このような間違ったクセがついてしまい、中国語教室でのレッスンを開始したときには、まさにマイナスからのスタートとなりました。



試験には出ませんが、これ大事です!


ピンイン表記は「中国語独自の音を表す記号の集まり」としてとらえるべきで、日本語でも英語でもありません!



もちろん、一部は近いところもありますが、中国語の発音は日本語にも英語にも近いとはいえません。

ピンイン表記の文字を頼りにしていると、間違った発音が身につきます。



簡単な例では、"四声"のピンイン表記は[sì shēng]となりますが、[sì]は「シー」ではなく「スー」に近い音です。

また[shēng]は「シェン」に近い音ではあるのですが、[sh]の息の出し方は日本語にはありませんし、[ēng]は「エとオの中間の音」から始まり、最後の[g]は英語とは違って発音しませんが、[en]とは声を出しはじめる位置が異なります。


"ü"の発音は要注意!?

あと、教科書にはそれほど特別な感じでは出てこないものの、個人的には"ü"の発音はかなり重要だと感じています。


「ウ」とは全然違う、英語の"v"の口の形のように上の歯を下唇に軽く当てながら、口をとがらせて澄んだ音を出すものです。


これを「ウ」にしてしまうと"女" [nǚ]か"怒" [nù]かが分からない程度ならかわいいもので、場合によっては"牛" [niú]に聞こえてしまう、とんでもないリスクを抱えています。



また、"j","q","x","y"と"u"の組み合わせは、表記は"ju","qu","xu","yu"なのに、実際の発音は"jü","qü","xü","yü"となることです。

これはこれらの組み合わせは発音が各1通りしかない(表記上"ju"と"jü"を区別する音はない)ことが理由ですが、「ピンインは記号としてとらえる」しかない例でもあります。




このように、日本語や英語読みとは全く違う発音となります。

さらにアクセントを表す「声調記号」も、完全に発音表記の一部で、これが違うと正しく伝わりません。



ではどうすればよいか?ということになりますが、動画などで徹底的にネイティブの音をまねして、その音を表す記号(ピンイン)と結び付けて覚えます。


中国の小学生もくり返し練習していますので、練習あるのみです。


ただ、伝わらなくても落ち込まないでください。

発音の問題だけではなく、同じ発音で違う意味の言葉が結構あるため、すぐに理解されなかった可能性もあります。




多音字  [duō yīn zì] (ドゥォ イン ズ)


中国語には"多音字"という、ひとつの漢字で複数の読み方がある漢字があります。

といっても、日本人にはあまりピンと来ないかと思います。


日本の漢字はほぼすべて音読みと訓読みがあり、さらにそれぞれに複数の読み方があるため、すべてが"多音字"です。

中国語では、"多音字"といっても発音が異なる2種類がほとんどで、まれに3種類や4種類がある程度なので、比較的覚えやすいです。(とはいっても、日本語よりはマシという感じですが…)


日本語では「生」の文字の読み方は基本でも12個程度、固有名詞や地名まで含めるとなんと100を軽く超えるという異常な状況ですから、日本語を覚える外国人はたいへんです。


"多音字"の場合、それぞれの読み方についてピンイン表記があります。


例:

  • "了": [le]と[liǎo]の2種類

  • "种": [zhǒng]と[zhòng]と[chóng]の3種類
    (最初の2つは声調が異なるので、別の読みです。) 



声調記号(声調符号)の位置


中国語の学習を始めた方は既にご存じのとおり、中国語には"四声"と呼ばれる"声調"がありますので、この声調を表す記号もピンインに含めます。

何もつかない場合は"轻声" [qīng shēng]となります。(日本語で「軽声(けいせい)」と習います。)


声調とピンインの例


音声はこちらから確認できます。(音量にご注意)



中国語 四声 声調 イメージ



声調 第一声 第二声 第三声 第四声 軽声
漢字
ピンイン ma


このように、声調記号は[a]の上についています

それでは、別の文字の場合はどうでしょうか?

先ほどの字母表の、特に韵母の構成に注目してみてください。



漢字 ピンイン 字母 (ピンイン付き)
n+ǐ
l+ǚ
yún y+ún
hǎo h+ǎo
ān ān
zhǐ zh+ǐ
qǐng q+ǐng
qiáng q+i+áng
quān q+u+ān
kuài k+u+ài
biāo b+i+āo
zhuāng zh+u+āng



いかがでしょうか?下記の法則があります。


  1. 声調記号は、最初の韵母(母音)の上につく

  2. 韵母が複数ある場合、韵母の種類で分解した上で、最後の韵母に声調記号をつける


こう考えると、ピンインは単なるローマ字や英語の発音で考えるものではなく、中国語専用の発音記号として、音の区切りやアクセントまで教えてくれるとても高度なものであることが分かります。


ただ、発音という、いわばアナログ的な世界を記号化するにはやはり限界があります。

中国語のピンインについても同様に、例外はあることは覚えておきましょう。


教科書にもよくある例ですが、"你好" [nǐ hǎo]と第三声が2つ続きます。

この場合は、ピンイン表記はそのままですが、実際の発音は流れをとって第二声+第三声のように変化します。[ní hǎo]


間違ったまま勉強してしまうと、せっかく何度も発音練習しても遠回りになりますし、かなりの高確率で挫折に至る可能性があります。

私は中国語教室に通うことで助けられました。



パソコンやスマホでピンイン入力


ちなみに、パソコンやスマホでピンイン入力をする場合は、声調は特に入力しませんアルファベットを入力していくだけで、声調にかかわらず候補となる漢字(熟語または文章)が出てきます。

とても便利ですが、声調が覚えられない原因ともなってしまいますので、ご注意を...


音声入力もできますが、この場合は声調を含めてピンインを意識した発音が求められます。

ただ、音声入力はネイティブ向けの速度になっていますし、誤判別もあります。

あまり気にしすぎないことは重要ですが、自分の発音練習の良い相手にはなると思います。



本日もお読みくださり、ありがとうございました。



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