中国語: 「虎の首に鈴をつけた人しか外せない」とは - 成語の由来と意味

このブログは、普段は政治的な内容は取り上げないようにしていますが、ロシアのウクライナへの侵攻が長期化して甚大な被害となっていることもあり、個人としてはとても心を痛めています。


一連のニュースで聞いた、中国の習近平国家主席がバイデン米大統領とのオンライン会談で用いた「虎の首に鈴をつけた人しか外せない」という故事について解説します。



ウクライナとロシアの国名の中国語


中国語で、ウクライナとロシアの国名は、このように表記します。


ウクライナ: 乌克兰 [wū kè lán]


ロシア: 俄罗斯 [è luó sī]


この漢字表記から中国語で、ロシアのウクライナへの侵攻を


俄乌战争 [é wū zhàn zhēng]


と表現しています。



ウクライナ発音への日本語の変更と中国語・英語表記


2022年4月1日より、下記の地名がロシア語の発音を基にした表記から、ウクライナ語の発音を基にした表記に変更されました。


中国語・英語とあわせて記しておきます。


キーウ 

(旧称: キエフ)【中】 基辅 [jī fǔ] 【英】 Kyiv


オデーサ 

(旧称: オデッサ)【中】 敖德萨 [áo dé sà] 【英】 Odessa


ドニプロ川 

(旧称: ドニエプル川)【中】 第聂伯河 [dì niè bó hé] 【英】 Dnieper


チョルノービリ

 (旧称: チェルノブイリ)【中】 切尔诺贝利 [qiè ěr nuò bèi lì] 【英】 Chernobyl


ハルキウ

 (旧称: ハリコフ)【中】 哈尔科夫 [hā ěr kē fū] 【英】 Kharkov




「虎の首に鈴をつけた人しか外せない」とは - 成語の由来と意味


「虎の首に鈴をつけた人しか外せない」 - 成語の由来


故事に基づいて受け継がれている言葉、熟語(四字熟語が多い)や短い文章を、中国語で"成语" [chéng yǔ]といいます。


この故事は、明時代の瞿汝稷 [qú rǔ jì]による仏家禅宗語録《指月录 卷二十三》(指月録 二十三巻)に記されています。


指月录 卷二十三  [zhǐ yuè lù juǎn èr shí sān]


中国語では人によって若干の表現の違いはありますが、「虎の首に鈴は、どのように(だれが)取り外せるか?」として知られている言葉です。


有一只老虎的脖子上系了铃铛,怎样能把它解下来?

[yǒu yī zhǐ lǎo hǔ de bó zi shàng xì le líng dāng, zěn yàng néng bǎ tā jiě xià lái]


系在老虎脖子上的铃铛,谁能取下来?

[xì zài lǎo hǔ bó zi shàng de líng dāng, shéi néng qǔ xià lái?]



「虎」は、中国語で"老虎" [lǎo hǔ]といい、獰猛な動物としてたとえ話などでよく用いられます。



この故事を、日本語の意訳で見ていきましょう。


※ この故事に登場する「法禅師」は悟りに至ったとされる和尚さんで、「法禅師」はその教えを受け継ぐ弟子と捉えてください。


南唐の金陵清涼寺に、泰欽法灯禅師とよばれる和尚さんがいました。

彼は豪快な性格で、普段は仏門の規律にあまり縛られることもないため、お寺の一般の和尚さんたちは皆、彼のことを軽視していましたが、主事の法眼禅師だけは、彼のことを彼を高く評価していました。

ある時、法眼禅師は説法の際に寺内の者たちに尋ねました。


法眼禅師: 虎の首にある金鈴は、誰が外すことができますか?


皆が何度も考えましたが、答えを出すことはできませんでした。


その時ちょうど、法灯禅師が通りかかったので、法眼禅師は彼に対してもこの問いを投げかけました。


法灯禅師はためらわずに答えました。

法灯禅師: 金を虎の首に結びつけた人だけが、外すことができます。


法眼禅師はその答えを聞いた後、法灯禅師が仏教の教義をよく理解できると考え、皆の前で彼を称賛しました。


その後、この話が「虎の首に鈴をつけた人しか外せない」という成語として受け継がれています。



「虎の首に鈴をつけた人しか外せない」 - 成語の意味


この成語の意味は、


問題を引き起こした人が、それを解決しに行かなければならない


という比喩的な意味になります。



お読みいただき、ありがとうございました。


このブログでは、中国語・英語に関する学習記事からゆるい話題を中心に取り上げていますので、人気記事からご覧いただければ嬉しいです(メモ書きから長文までいろいろです。)





筆者のつぶやき


普段は政治や思想にかかわる内容は掲載しませんが、ロシアのウクライナへの侵攻にはとても心を痛めています。


筆者は中国人の素晴らしい友人に出会ったことで、中国文化にも興味を持ち、中国語学習を始めましたが、政治とは全く別のことだと思っています。


この故事については記事を書くためにいろいろ調べました。


正直、なぜこの話を持ち出したのか、意味が分かりません。
鈴をつけたのは誰でしょうか?米国や西欧諸国でしょうか?


「戦争は反対で、平和を望む」
これは中国政府の談話にもあります。


戦争が良い理由はひとつもない。
目の前でリンチでボコボコにされている人がいるのに、それを静観するだけで、もし自身の保身や利益を考えているのであれば、共犯に値するか、人として疑いたくなります。


これは国家間でも同じだと思います。
中国が国家として世界のリーダーを目指しているなら、人道的な立場での迅速な行動が望まれるばずです。


本来、中国の文化では他の人を大切にする、このような思想が受け継がれているはずです。