日本語・中国語・韓国語・英語などが混在する文書をきれいに作成できるフォントを使う方法


パソコンで文書を作成する時、日本語・中国語・韓国語・英語などが混ざっていると、フォントの統一性がなくて見た目が悪かったり、文字間の表示のバランスが悪かったりすることがありますね。


そんな時に最適な、CJK統合漢字に対応したフォントを使って、見栄えのある資料作成してみてください。

見た目がよいと、印象もぐっと良くなりますよ。



多言語の混在でバランスが悪い例と原因


原因はフォントにあります


文字の表示は「フォント」と呼ばれる字体のデータによって変わります。

選択したフォントが日本語用の場合、内部に中国語や韓国語の文字の登録がないと、近いデザインで表示されますが、まったく表示されない場合もあります。


近いデザインで表示されても微妙な差が出て、日本語に無い文字の表示のバランスが悪くなります。

多言語の文書や資料でバランスが悪い例

選択したフォントによっては、その差が大きく出て見栄えが特に悪くなってしまいます。

多言語の文書や資料でバランスが悪い例



多言語が混在する文書の解決策


CJK統合漢字に対応したフォントを使用する


多言語でNoto Sans CJK JPを使用した場合はバランスが良い
Noto Sans CJK JPを使用した場合


言語とフォントの問題はいろいろなところで問題となっているため、Unicode(ユニコード)という世界中の文字を統合した規格が作られました。

このUnicodeには現代の文字だけでなく、古代の文字や歴史的な文字、数学などの各種記号、絵文字なども含んでいます。


しかし、当初に予想した文字数をはるかに超えてしまったため、いろいろな拡張が繰り返されています。


主に日中韓では、同じ漢字が存在しているため、それらについても互換性(共通利用)が保てるように工夫されています。

それが「Unicode CJK統合漢字」と呼ばれるものです。


この規格に対応したフォントをダウンロードしてインストールすることで、見栄えの良い文書を作成することができます。



無料のUnicode CJK統合漢字対応フォント


漢字を含むフォントとなると、データ量が膨大になりますので、デザイナーやその他の関係者の労力も相当なものとなります。


そのようなわけで、無料で利用できるものは限られているのですが、代表的な無料フォントとしてGoogleの「Noto Sans CJK (Noto Sans CJK JP)」というフォントがあります。


名前の最後に"JP"とついているのは、重複する文字の場合は日本語の字体が優先されていることを意味します。


このフォントは、Adobe(アドビ社)の

源ノ角ゴシック (Source Han Sans)
源ノ明朝 (Source Han Serif)

として知られているフォントとほぼ同じになりますので、アドビのアカウントをお持ちのユーザーは、既にインストールされてる可能性も高いです。



Noto Sans CJK JPフォントのダウンロード


フォントのダウンロード方法


下記のリンクをクリックして、Google FontsNoto Sans CJK JPページにアクセスし、右側の"Download Family"をクリックすると、Noto_Sans_JP.zipというファイルがダウンロードされます。

※ 安全なサイトですが、ダウンロードしたファイルは常にウイルスチェックすることをお勧めします。

Google FontsのNoto Sans CJK JPページ


Goole FontsのウェブページからNoto Sans CJK JPをダウンロードする


PDFやPhotoshop, Illustratorなどで有名なAdobe(アドビ)のウェブサイトからもダウンロードすることができます。(フォントは同じものです。)


Adobe(アドビ)のウェブページからNoto Sans CJK JPをダウンロードする



ほぼ同じですが、Adobe(アドビ社)の

源ノ角ゴシック (Source Han Sans)
源ノ明朝 (Source Han Serif)

としても無料でダウンロード・利用できます。(アカウント作成が必要です)


Adobe(アドビ)のウェブページから源ノ角ゴシックをダウンロードする

Adobe(アドビ)のウェブページから源ノ明朝をダウンロードする



Windowsの例では、このようにZIPファイルが保存されます。

ダウンロードしたNoto Sans CJK JPフォントのZIPファイル
ダウンロードしたNoto Sans CJK JPフォントのZIPファイル



Noto Sans CJK JPフォントのインストール (Windows)


フォントのインストール方法


1. ダウンロードしたNoto_Sans_JP.zipファイルを展開します。(Windowsの標準では、ファイルを右クリックして すべて展開 を選択して進めます。)


2. 展開すると、英文の注意書き(テキストファイル)とフォントのファイルが線の太さ違いで6種類出てきます。

展開後のNoto Sans CJK JPフォント ファイル
展開後のNoto Sans CJK JPフォント ファイル


3. フォントファイルをダブルクリックすると、フォントの情報が表示されます。


4. 開いたウィンドウの フォント名 の箇所が、使用するときに選択するフォントの名前です。


5. インストール ボタンをクリックすると、フォントがインストールされます。


Noto Sans CJK JPフォントの情報表示とインストール画面
Noto Sans CJK JPフォントの情報表示とインストール画面


インストールするファイルの分だけ繰り返してください。


これでインストール完了です


※ インストール後はこれらのファイルは不要ですので、削除しても構いません。


もっと詳しく知りたい場合やMacの場合など、不明なことがあれば下のリンクから検索してみてください。


Google検索: Windows フォント インストール


Google検索: Mac フォント インストール





インストールしたNoto Sans CJK JPフォントを使用する



インストール後は、通常どおりフォントを選択するだけです。

必要に合わせて、言語を切り替えても同じフォントでバランスよく表示されます。


Microsoft Wordでの使用方法


例として、Microsoft Wordでの使用方法を説明します。


1. Microsoft Wordを起動します。

2. 文字を入力する前、もしくは入力後の文字を選択して、フォントを選択します。

3. フォントのリストに、インストールされたフォントの名前が表示されていますので、使用したいフォント名を選択します。(フォント名を直接入力することもできます。)

この例は「Noto Sans CJK JP」という最も標準的なフォントを選択するところです。

「Noto Sans CJK JP」フォントを選択する例
「Noto Sans CJK JP」フォントを選択する例



もし、行間が開きすぎていると感じている場合は、行と段落の間隔行間のオプション から 間隔行間最小値 にして 間隔0pt などの小さな値にして調整してみてください。





ご注意:
ファイルを誰かに送る場合、相手のパソコンにも同じフォントがインストールされている必要があります。
インストールされていない場合は、正しく表示されません。




PDFファイルにする場合


印刷する場合はそのまま印刷すれば問題ないですが、PDFファイルにする場合は、相手のパソコンに同様のフォントが入っていないと文字が表示されませんので、フォントを埋め込むようにします。


方法はアプリによって異なりますので、使用するアプリで検索するか、PDFを作成してから埋め込まれているかを確認してみてください。



Adobe Reader DCで、作成したPDFにフォント(例: Noto Sans CJK)が埋め込まれているかを確認する方法は

1. 確認したいPDFファイルを開く
2. ファイル → プロパティ を選択する
3. フォント タブに必要なフォントが埋め込まれているかを調べる


PDFへのフォントの埋め込みを確認
PDFへのフォントの埋め込みを確認



または、下の検索を使用してください。



どのような環境でも表示できるという保証はありませんので、ご了承ください。




通常入力できない漢字を表示する方法


現在はほとんど使われていないなどの理由で、データとして登録されていない漢字もありますが、中には通常の方法では入力できなくても表示できる場合があります。


ただし、インストールしたフォント内にデータがない場合は、空白として表示されてしまいます。


このような特殊な文字を入力するには、文字コードと呼ばれる文字データのIDを直接入力します。

ここでは、例として2つの漢字を入力してみましょう。



日本の漢字「たいと」を入力して表示する方法


ひとつめは、現在使用されている漢字として日中韓でも84画と最多の画数の和製漢字、「たいと」を入力してみます。
(実際の使用頻度は疑問ですが…)

84画と最多の画数の和製漢字「たいと」
84画と最多の画数の和製漢字「たいと」


文字コードは漢字の読みと「Unicode コード」などのキーワードでウェブサイトで調べるか、一覧から探し出すかが必要なので、結構たいへんです。


この「たいと」は、Unicodeではコード 3106Cに割り当てられています。




Microsoft Wordでの入力方法

例として、Microsoft Wordでの入力方法を説明します。

1. 挿入記号と特殊文字その他の記号 に移動します。

Microsoft Wordの挿入タブ
Microsoft Wordの挿入タブ

Microsoft Word 記号と特殊文字 → その他の記号
記号と特殊文字 → その他の記号


2. フォント名で使用するフォントを選択します。(例: Noto Sans CJK JP Medium)
3. コード体系Unicode (16進) を選択します。
4. 文字コード3106Cと入力します。
5. 挿入ボタンをクリックします。

Microsoft Word 記号と特殊文字の挿入ダイアログ
記号と特殊文字の挿入ダイアログ


6. 必要に応じて、4から繰り返して別の文字を続けて入力できます。


文字コードを入力する以外に、表示されている一覧から選択することも可能です。
表示されていない場合は、種類のリストを変更してみてください。



ご注意:
ここに表示されていない文字は、選択したフォントでは入力や表示はできません。




「ビャンビャン麺」の「ビャン」を入力して表示する方法


難しい漢字として話題になった陝西(せんせい)地方の「ビャンビャン麺」の漢字はこれです。


「ビャンビャン麺」の「ビャン」の漢字 56画
「ビャンビャン麺」の「ビャン」の漢字


ビャンの1文字で56画になります。


しかしながら、この漢字は古代に作られた陝西地方の文字のひとつで、伝統的に(また商業的に)残されているだけなので、現代では標準的な漢字ではありません。


ただ、お気づきのように、基本的な漢字や部首の集合体ですので、現在の中国で使用されている「簡体字(かんたいじ)」 "简体字" [jiǎn tǐ zì]に部分的に置き換えることができます。


そうすると、画数は42画となります。

「ビャンビャン麺」の「ビャン」の繁体字版(左・56画)と簡体字版(右・42画)
「ビャンビャン麺」の「ビャン」の繁体字版(左・56画)と簡体字版(右・42画)



このビャンの文字は、コード(ID)として

繁体字版: 30EDE
簡体字版: 30EDD


が割り当てられています。


先ほどと同様の手順で、文字コード30EDEまたは30EDDと入力することで、ビャンの漢字を入力できます。


専門的になりますが、これらの漢字はUnicode CJK統合漢字 拡張グループG (CJK-G) U+30000~U+3134Aの4,939文字の範囲内に割り当てられていて、最近の拡張になります。



ここで紹介した「たいと」と「ビャン」(2種類)は、この拡張グループGに含まれています。
このため、フォントがCJK統合漢字に対応していたとしても、拡張グループGに未対応の場合は表示できません。(Noto Sans CJKは対応済みです。)







お読みくださり、ありがとうございました。

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