日本語の「はい」と「いいえ」は、英語で…


"Yes"と"No"


90%は正解と言ったところでしょうか。

英語 Yes No 違い 日本語と反対の例
Gerd AltmannによるPixabayからの画像


残りの10%はというと、質問によって不正解となってしまうことがあるためです。
日本語の「はい」は常に同意を、「いいえ」は否定を表します。


中国語においても日本語と同様ですが、どんな場合においても使える「はい」と「いいえ」に対応する単語はありません。質問によって表現が変わってきます。


つまり、「○○ですか?」という普通の質問では、日本語の「はい」と「いいえ」は、そのまま"Yes"と"No"で問題ありません。


しかし、「○○ではないですか?」という聞き方に対しては、日本語の「はい」と「いいえ」と、英語の"Yes"と"No"では、意味が逆になります。


例えば


Don't you mind if you help me?

私の手伝いをしてもらっても、構わないでしょうか?


と聞かれた場合、返事はどうなるでしょうか?


日本語では


手伝える場合は「はい」で、手伝えない場合は「いいえ」


となりますが、英語では


手伝える場合は"No"で、手伝えない場合は"Yes"


と逆になります。


なぜでしょうか?


これは質問が「Don't you mind~?」となっている、つまり、「構わない(気にしない)でしょうか?」という否定形で聞いているためです。


答える本人が「構わない(気にしない)」のであれば、「ない」を答えとする"No"で、その逆の場合は"Yes"となるのです。


日本語では「構わないでしょうか?」という相手の気持ちを尊重した聞き方がよく用いられ、英語においてもその聞き方は、やさしいものとなります。(人や状況によっては優柔不断と思われることもありますが…。)


別の例を紹介しましょう。


Do you come to the party?


Don't you come to the party?


どちらも同じようなパーティへの誘いとして使える言葉ですが、2番目は「来ないのですか?」と強めの誘いとして使えます。


この場合、どちらの質問に対しても答えは


行く場合は常に"Yes"で、行かない場合は常に"No"


です。


ここで誘ってくれた人が残念がって、


Oh! you don't go...

ああ、行かないんだあ...


とつぶやいた場合のあいづちは、例えば


No, I can't go...

うん、行けないんだ...


と、日本語と逆になります。



ある意味、英語は自己中心です。


相手の質問がどうであろうと、「自分がどうか」で答えなければならないので、突然この質問をされると、パニックになりかねません。


英語を話す際は、「自己中心的に」を心がけると自然な会話になる、というのがひとつのポイントです。


これは頭では分かっていても、とっさに口にすることになると、結構難しいところです。


質問と答えというキャッチボールだけでなく、あいづちにおいても同様なので、ややこしく感じるかもしれません。


頭の体操として、こんな会話を見てみましょう。


例えば、こんな愚痴(?)を聞いているとします。

  1. 「僕は努力しているんだ。」(I am making my effort.)
  2. 「でも、結果を出せない。」(But I cannot show the result.)
  3. 「毎日、勉強しているのに。」(I study every day.)
  4. 「できの悪い生徒なんだ」(I am a bad student.)


こんな話に対して、すべてを肯定的に励ますとしたら、「Yes」と「No」のどちらを使うのでしょうか?

  1.  "Yes" うん、努力している → You are making the effort.
  2.  "Yes" そんなことない、良くなってきている → It is getting better.
  3.  "Yes" うん、勉強している → You are studying.
  4.  "No" そんなことない、できが悪くなんかない (いい生徒だよ) → You are not  bad. (You are good.)


2番目は、本人が「cannot」と結果を否定をしていますが、実際は結果は出てきているので、日本語と反対で「Yes」となります。


"Yes"と"No"の答えだけで考えると、ちょっと混乱してしまいそうです。




慣れるまでは、"Yes"と"No"をとっさに使い分けようとするよりも、"Yes"か"No"かは考えず、短く自分の意見だけを話す方が、間違いないでしょう。


中学校の英語では"Do you ~?"の質問文で、"Yes, I do."や"No, I don't."の答えが正解とされます。


実際は、このような返事の仕方は強調したい時くらいで、ほとんどないのですが、これは状況を理解した上での返事という意味で、正しいのです。


今日もお読みくださり、ありがとうございました。




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